「もっと詳しく知りたい」という方のために、
それぞれのサービスの違いを、
より詳しく解説します。
(概要だけ知りたい方は「シンプル版」をご覧ください)
ご注意ください
この記事は、私(椎名)がカウンセラーとしての経験と学びから整理した個人的な理解に基づいています。
そのため、正確さを保証するものではありませんし、実際のサービス内容は施設によって異なります。
ご自身の状況に合った選択をされる際は、各施設に直接お問い合わせいただくことをおすすめします。
目次
1. 精神科と心療内科の違い
「精神科」と「心療内科」は、
どちらも心の問題を扱いますが、
本来の専門領域は異なります。
精神科
対象:心の症状そのもの
- うつ病、双極性障害(躁うつ病)
- 統合失調症
- パニック障害、強迫性障害
- PTSD(心的外傷後ストレス障害)
- 発達障害(ADHD、ASD)
- 依存症
アプローチ:
脳の神経伝達物質(セロトニン、ドーパミンなど)の
バランスを調整することが中心です。
薬物療法が治療の第一選択となります。
問診の焦点:
睡眠、食欲、気分の変動、
希死念慮(死にたい気持ち)の有無など、
精神症状の評価に重点を置きます。
心療内科
対象:ストレスで身体に出る症状(心身症)
- 過敏性腸症候群(IBS)
- ストレス性の胃痛、頭痛
- 動悸、息苦しさ、喉の詰まり感
- 自律神経失調症
- 心因性の疲労感
アプローチ:
「心」と「身体」の相互作用(心身相関)を重視。
身体症状への対症療法と、
ストレスマネジメントを並行して行います。
漢方薬を併用することも。
問診の焦点:
身体症状、生活習慣、ストレス環境。
「検査では異常がないのに症状がある」
というケースに対応します。
「メンタルクリニック」の実際
多くのクリニックが「心療内科・精神科」を
両方標榜しています。
これには理由があります。
- 「精神科」への受診は心理的ハードルが高い
- 「心療内科」なら「ストレスで胃が痛い」と説明しやすい
- 実際には、うつ病や適応障害など境界領域の患者が多い
そのため、どちらに行っても
治療内容に大きな差がないかもしれません。
選び方の目安
| 症状 | おすすめ |
|---|---|
| 「死にたい」「幻聴が聞こえる」など心の症状が主 | 精神科 |
| 「検査で異常なしだが胃が痛い」など身体症状が主 | 心療内科 |
| 判断がつかない | 両方標榜しているメンタルクリニック |
2. リワーク(復職支援)の種類
「リワーク」と一口に言っても、
運営主体によって目的が異なります。
リワークの4類型
| 類型 | 運営主体 | 主な目的 | 費用 |
|---|---|---|---|
| 医療リワーク | 病院・クリニック | 治療と再発予防 | 保険適用(1〜3割負担) |
| 福祉リワーク | NPO・民間企業(Kaien、LITALICOなど) | スキル獲得・特性理解 | 無料〜低額 |
| 職リハリワーク | 地域障害者職業センター | 三者調整(本人・会社・医師) | 無料 |
| 職場リワーク(EAP) | 企業・外部EAP | 現職復帰の可否判断 | 企業負担 |
医療リワークの特徴
医療機関が行う「デイケア」の一種です。
主なプログラム:
- 認知行動療法(CBT):思考パターンの修正
- 生活リズムの立て直し:午前からの活動で自律神経を整える
- 集団療法(グループワーク):同じ境遇の人との交流
- ストレス対処法の習得:マインドフルネス、リラクセーションなど
スタッフ体制:
医師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士など
多職種チームが関わります。
強み:
状態が悪化した場合、
即座に医学的対応(薬の調整、入院など)が可能。
福祉リワークの特徴
障害者総合支援法に基づく
「就労移行支援」「自立訓練」の一種です。
特徴:
- 発達障害(ADHD/ASD)への対応が充実
- 「自分の取扱説明書」の作成:自分の特性を理解し、職場に配慮を求める準備
- 専門スキルの習得:IT、事務処理など
- 転職(リ・キャリア)も視野に入れた支援
費用:
前年度所得に応じて決まりますが、
多くの利用者は実質無料で利用しています。
職場リワーク(EAP)の特徴
企業が契約した外部機関や、
社内の産業保健スタッフが行います。
強み:
- 職場の上司や人事と直接交渉できる
- 復職時の業務軽減や部署異動を調整可能
注意点:
- 復職可否の判断を人事部に報告する義務がある
- 「本音をどこまで話していいか」という葛藤が生じやすい
ただし、知っておいてほしいことがあります。
⚠️ リワークの限界
リワークは「職場に適応すること」を目指すため、
以下のようなことが可能性として起こりえます。
病気の原因であった「過剰適応」を、 より洗練された形で強化してしまうリスクがあるかもしれません。
「上手に我慢する方法」は学べても、
「なぜ自分はそこまでしてその場にいなければならないのか」
という問いは封印されがち。
復職という緊急の目標の前に、
根本的な問いが後回しにされやすいかもしれません。
3. カウンセリングの「内的な違い」
カウンセリングには、
クリニック併設と私設(開業)があります。
この二つは、単なる場所の違いではなく、
目的・構造・深さが異なります。
二つのモデル
| 観点 | クリニック併設(医療モデル) | 私設(成長モデル) |
|---|---|---|
| 目標 | 症状消失・機能回復(マイナス→ゼロ) | 人格変容・自己実現(ゼロ→プラス、深層へ) |
| 関係性 | 三者関係(医師→心理士→患者) | 二者関係(カウンセラー⇔クライエント) |
| 情報 | 透過的(カルテ共有) | 密閉的(完全守秘) |
| 時間 | 短い(20〜30分) | 長い(50〜90分) |
| 技法 | CBT、IPT(効率性・エビデンス重視) | 精神分析、ソマティック、パーツ心理学(プロセス重視) |
クリニック併設カウンセリングの特徴
医師の「指示」に基づいて
心理士が行います。
構造:
- 話した内容は(要約されて)医師に伝わる
- 状態悪化時に即座に医学的対応が可能
- 医師との連携がスムーズ
焦点:
- 「どうすればパニック発作を止められるか」
- 「どうすれば復職できるか」
- 機能回復が最優先
技法:
- 認知行動療法(CBT)
- 対人関係療法(IPT)
- 短期間で効果測定が可能なもの
私設カウンセリングの特徴
医師のいない、独立した空間です。
構造:
- 完全守秘:家族にも医師にも漏れない
- 時間をかけて、じっくり取り組める
焦点:
- 「なぜ私はこのように生きているのか」
- 「この苦しみの意味は何か」
- 「なぜ同じパターンを繰り返すのか」
- 実存的な問いに向き合う
技法:
- 精神分析的心理療法
- ユング心理学
- ソマティック・アプローチ(身体志向療法)
- パーツ心理学(IFS)
たとえると・・・
- 溺れている状態(急性期)には、
浮き輪(薬と休養)と泳ぎ方のマニュアル(CBT)が必要
→ クリニック- 泳げるようになったが、 なぜ自分はいつも嵐の海を選んでしまうのか疑問を持ったら、
海図を読み解く対話が必要
→ 私設カウンセリング
4. 当ルームのカウンセリングの特徴
当ルームは私設カウンセリングであり、
成長モデルに基づいています。
「話す」だけでなく「身体から」アプローチ
多くの私設カウンセリングは「対話」が中心ですが、
当ルームでは身体の感覚にもアプローチします。
なぜなら、トラウマや「守り方のクセ」は、
頭ではなく神経や身体に刻まれていることが多いからです。
主な技法:
- ソマティック・アプローチ(身体感覚への働きかけ)
- パーツ心理学(心の中にいる『さまざまな自分』との対話)
- ポリヴェーガル理論に基づく神経系の調整
「順番」を大切にする
安心🟢が育っていない段階で
トラウマに触れると、悪化することがあります。
当ルームでは、
まず🟢を育てる → 🟢が育ってから傷に触れる
という「順番」を大切にしています。
この順番が、再発を防ぐ鍵となります。
「過剰適応」の根っこに取り組む
当ルームでは、多くのリワークでは難しいと思われる、
「なぜ過剰適応してしまうのか」
という根っこに取り組めます。
パターン(守り方のクセ)を変えることで、
同じ環境でも違う結果になります。
5. あなたの「望み」で選ぶ
どこに相談すればいいかは、
あなたが何を望んでいるかで変わってくると考えています。
「今すぐ安定させたい」
動けない。眠れない。食べられない。
まずは沈まないことが最優先。
→ メンタルクリニックで浮き輪(薬と休養)を受け取ってください。
「元の職場に戻れればいい」
とにかく復職できればいい。
生活リズムを整えて、元の状態に戻りたい。
→ リワークやクリニックのカウンセリングが向いています。
ただ、一つだけ知っておいてほしいことがあります。
「昔の大丈夫だった自分に戻りたい」
——そう願うのは、とても自然なことです。ただ、少しだけ考えてみてください。
その「昔の自分」は、
すでに今の状態に至るパターンを持っていた自分でもあります。その頃はまだ、疲労の蓄積が限界を超えていなかっただけかもしれません。
「戻る」ことで、
また同じことを繰り返すリスクがあることも、
心のどこかに置いておいてほしいのです。
「もう同じことを繰り返したくない」
元の職場に戻っても、また同じことになりそう。
休職は初めてじゃない。人や場所が変わっても繰り返してきた。
いい加減、この生きづらさをなんとかしたい。
→ 当ルームのカウンセリングが向いています。
「トラウマ反応を根っこからケアしたい」
フラッシュバックが止まらない。
身体が勝手に反応してしまう。
薬では抑えられない身体の反応をなんとかしたい。
→ 当ルームのカウンセリングが向いています。
当ルームの対象について
正直にお伝えすると、
当ルームは「今すぐ安定させたい」急性期の方には対応できません。
「今まさに溺れている」状態の方には、
まずメンタルクリニックで浮き輪を受け取っていただく必要があります。
当ルームがお役に立てるのは:
- 少し落ち着いて、話ができる状態になった方
- 「なぜ自分はこうなったのか」を知りたい方
- 元の職場に戻っても、また同じことになりそうで怖い方
- 繰り返すパターンを根っこから変えたい方
- フラッシュバックなど、身体に残るトラウマ反応をケアしたい方
結論:組み合わせて使う
これらは「どれか一つ」ではなく、
組み合わせて使うことで、より確実に回復していけます。
- 急性期:クリニックで症状を安定させる
- 回復期:クリニック継続 + 当ルームで「パターン」に取り組み始める
- 復職準備期:必要に応じてリワーク + 当ルームで不安やトラウマをケア
- 根本変容期:当ルームで深い部分に取り組む
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