【記事を公開しました】⚡️感情のフラッシュバック・トラウマについて

⚡️感情のフラッシュバック・トラウマについて

この記事の要点(30秒でわかる)

  • 感情のフラッシュバックとは:過去のトラウマ的な記憶が、映像を伴わず「強い感情」や「身体感覚」だけとなって突然よみがえり、今の出来事への反応のように感じられる現象です。本人も気づきにくいのが特徴です。
  • 原因(当ルームの考え方):性格や「感情のコントロール不足」ではなく、神経が過去の危険を「今まさに起きている」と誤って再生する防衛反応です。凍りついたトラウマ記憶が、些細な刺激で🔴(戦う・逃げるモード)を自動的に作動させます。
  • なぜ自分を責めてしまうのか(二段攻撃):映像がないため本人もフラッシュバックだと気づけず「情緒不安定な自分」と誤解します。発作のあとに襲ってくる自責こそが、トラウマ本体以上に神経を消耗させます。
  • 回復の方針:過去を掘り返す前に、まず身体に安心(🟢)を育てる順番が大切です。ポリヴェーガル理論・ソマティックアプローチ・パーツ心理学を用いて、神経に「もう終わった」と教えていきます。

些細なことなのに、涙やイライラが止まらないあなたへ

上司にほんの少し注意された。

ただ、それだけのことなのに、

涙があふれて、
止まらなくなる。。

「こんなことで泣くなんて」

そう思いながら、
トイレに駆け込んで、

声を殺して泣いた。。

そんな経験はありませんか?

あるいは——

家に帰って、ひとりになると、

なぜか急に、
過去の嫌な記憶がよみがえって、

胸がざわついて、
いてもたってもいられない。。

そしてもしかしたら、
いちばん苦しいのは、
こんな瞬間かもしれません。

子どものほんの小さないたずら。

いつもなら笑って済ませられるはずのこと。

それなのに、

突然、頭の中が真っ赤になって、

きつい言葉をぶつけてしまったり、
手を上げてしまったり。。

ハッとして、我に返ったときには、
もう、遅くて。

その夜、
眠った子どもの寝顔を見ながら、

涙が出てきて、

「どうして、あんなに怒ってしまったんだろう」

「あんなにされて嫌だったのに、
同じことを、この子にしている」

「私は、母親失格だ」

そうやって、
自分をどこまでも責めてしまう。。

もし、あなたが
そんな苦しさの中にいるなら、

どうか、
自分を責める前に、聞いてほしいことがあります。

それは、あなたの「性格」が
怒りっぽいからでも、

「母親」として
欠陥があるからでも、

ありません。

あなたの神経が、
過去の記憶を、今この瞬間に「再生」してしまっている

だけなのかもしれないのです。

それは「情緒不安定」ではなく、感情のフラッシュバックかもしれません

「フラッシュバック」と聞くと、

多くの方が、

映画のワンシーンのように、
過去の出来事の映像が、はっきりと頭に浮かぶもの

だと思っています。

事故や災害のような、
「はっきりした事件」の記憶が、
ありありとよみがえる——

そういうイメージかもしれません。

でも、実は。。。

フラッシュバックには、
映像も、はっきりした記憶も、伴わないタイプ

があります。

よみがえるのは、

恐怖、混乱、激しい怒り、といった
「強烈な感情」 だけ。

胸の締めつけ、
身体の震え、
急に崩れ落ちそうな感覚、といった

「生々しい身体の感覚」 だけ。

「何が」とは思い出せない。
ただ、感情と身体だけが、

突然、嵐のように襲ってくる。。

これを、
「感情のフラッシュバック」

と言います。

ここが、とても大切なところです。

映像がないために、
本人にも、それがフラッシュバックだとは、

まったく気づけないのです。

だから、

「なんでこんなことで泣くんだろう」
「なんでこんなにイライラするんだろう」

「私は、感情のコントロールができない、
おかしな人間だ」

と、

ただの「情緒不安定」 として、
自分を責めてしまう。

でも、それは違います。

あなたが弱いのでも、
おかしいのでも、ありません。

それは、
過去の痛みが、
今のあなたの身体を、一瞬だけ乗っ取っている

そういう現象なのです。

今に反応しているのではなく、過去が”侵入”している

では、なぜ。

「今」起きている、
こんな些細なことに、

これほど激しく、
反応してしまうのでしょうか。

その答えは、

あなたが反応しているのは、
「今」ではない

ということにあります。

私たちの神経の中で、

トラウマの記憶だけは、
特別な保存のされ方をします。

楽しい記憶や、
ちょっと嫌だった記憶は、

時間がたつにつれて、
「あれは終わったこと」として、

整理され、
やわらいでいきます。

でも、トラウマの記憶は、

当時のままの生々しさで、
凍りついて
しまう。

「もう終わったこと」
「今はもう安全」

という情報に、
アップデートされないのです。

だから、

今の生活の中で、
何か小さな引き金(きっかけ)に出会うと——

たとえば、

誰かの、ちょっとした表情。
強い口調。
特定の声のトーン。
ある状況。

そういった些細な刺激を、

あなたの神経が、
「あのときと同じ危険だ」

と、瞬時に誤って判断してしまう。

そして、

当時の防衛反応(🔴戦う・逃げる)を、
自動的に、再生してしまう

のです。

これは、
「警報アラームの誤作動」

に、とてもよく似ています。

火事は、もうとっくに消えている。

それなのに、

煙のにおいに似た何かを感知するたびに、

警報だけが、
けたたましく鳴り響いてしまう。

頭では、

「今は安全」
「これは大したことじゃない」

と分かっていても、

アラームは、
あなたの意志とは関係なく、
勝手に作動します。

なぜなら、これは

頭で考える記憶(思い出そうとする記憶)ではなく、

身体に刻み込まれた記憶だから。

自転車の乗り方を、
身体が勝手に覚えているのと同じように、

「危険への身構え方」を、
神経が、勝手に覚えてしまっているのです。

だから、

「あれは過去のことだ」と
理屈で分かろうとしても、止められない。

それは、あなたの意志が弱いからではなく、

意志の力が届かない場所で、
身体が反応している

からなのです。

本当の苦しさは、そのあとの「自分を責める声」

そして、
感情のフラッシュバックの、
本当の苦しさは、

実は、
発作そのものよりも、

そのあとに、やってくる

ことが、少なくありません。

激しく泣いてしまったあと。
過食をしてしまったあと。
子どもに、きつく当たってしまったあと。

嵐が過ぎ去って、
我に返ったとき。

心の中で、
もうひとりの自分が、
こんな風に責め立ててくるかもしれません。

「また、やってしまった」

「どうして、こんなこともできないんだろう」

「あんなに優しい母親になりたかったのに」

「自分には、価値がない」

寝た子の寝顔を見ながら、
涙がこぼれて、

「ごめんね」と
心の中で、何度もあやまる。。

この、

フラッシュバックのあとに襲ってくる
「自分を責める声」

こそが、

トラウマそのものよりも、
あなたの神経を、
じわじわと消耗させていきます。

フラッシュバックという「一段目」のあとに、
自責という「二段目」が追い打ちをかける。

この二段攻撃で、

心が休まる暇もなく、
削られていくのです。

パーツ心理学(心の中にいる、さまざまな自分との対話)の見方では、

この激しい感情は、

過去のどこかで、
深く傷ついたまま、
時間が止まってしまった、

小さなあなた自身(の一部)

が、

「まだ痛いよ」
「まだ怖いよ」

と、必死に訴えている声、
とも考えられます。

その痛みがあまりにつらいと、

なんとかしてそれを消そうとして、

お酒や、食べることや、
別の何かに、

衝動的に頼ってしまうことも、
あるかもしれません。

でも、それも。

あなたが、だらしないからでも、
意志が弱いからでも、ありません。

耐えがたい痛みから、
自分を守ろうとしている

だけなのです。

だから、どうか。

まずは、その
「自分を責める声」のほうから、

そっと、降りてみてほしいのです。

【今すぐできること】まず、火を消す

「仕組みは分かった。でも、今まさにつらいときは、どうすればいいの?」

そう思われたかもしれません。

ここで、ひとつ、
フラッシュバックの嵐が来たときに、
すぐ使える方法を、お伝えします。

ただ、はじめに、
大事なことを。

これからお伝えするのは、

あくまで、
今、燃えている火を消す「消火」

であって、

火事が起きないようにする
「根本的な解決」ではありません。

そこは、
混同しないでくださいね。

そのうえで——

フラッシュバックの最中は、

頭の理性が止まって、
警報アラームだけが鳴っている状態です。

このとき、

「なんであんなことが起きたんだろう」と
過去の出来事を考えることは、

火に油を注ぐようなもの。
逆効果になります。

やることは、

思考や感情から、いったん離れて、
身体の感覚を使って、
神経に「今、ここは安全だよ」と教えてあげる

ことです。

たとえば、その入り口として——

ゆっくり、部屋を見回してみる。

「今いる場所」の安全なものを、
目で確かめる。

足の裏が、
床にしっかり触れている感覚を、
感じてみる。

立ち上がって、
少し歩いてみる。

(自分の足で動ける、
逃げようと思えば逃げられる、
という”今の身体”を感じることが、
神経を落ち着かせます)

そして、

湧き上がってくる感覚を、

「私がおかしいんだ」

ではなく、

「あ、神経が、過去に反応して、
私を守ろうとしているんだな」

と、
少し離れたところから、
眺めてみる。

ただ、

ここでひとつ、
正直にお伝えしておきたいことがあります。

こうした「神経を落ち着かせる方法」は、

実は、ここに挙げたものだけでなく、
たくさんあります。

そして本当は、

その人の神経が、
今どの状態にあるかによって、
選ぶべき入り口は変わってきます。

私のセッションでは、

その方の身体の反応を見ながら、
いちばん合うものを、
一緒に組み立てていきます。

ですので、
ここでお伝えしたのは、

数ある中の、
「今日からひとりでも試せる入り口」を、

ほんの少しだけ、
切り取ったもの、

と思っていただけたらうれしいです。

でも、消火だけでは、終わらない ── 回復には「順番」があります

応急処置で、
火を消せるようになることは、

とても、大切です。

でも、

火を消し続けるだけでは、

いつまでも、
気が休まりません。

そして、

何度も何度も消火に追われて、
疲れ果ててしまいます。。

本当に必要なのは、

あなたの神経が、

心の底から「もう、終わったんだ」と、
思い出すこと

です。

そして、それには、

きちんとした「順番」があります。

ここを間違えないでください。

いきなり、過去に触れにいかないこと

「フラッシュバックを治したい」と思うと、

つい、

「過去の記憶を、
なんとかしなきゃ」

と、

その傷の中心に、
直接、触れにいこうとしてしまいます。

でも、

安心の土台ができていない状態で、
いきなり過去の傷を掘り返すことは、

かえって、フラッシュバックを
強めてしまう

ことがあります。

それは、

まだ消火の途中の火元に、
新しい燃料を、
くべてしまうようなもの。

だから、

順番は、こうです

まず、🟢(安心)を育てる。

身体が、
「今は安全だ」という感覚を、
じゅうぶんに思い出す。

その土台が、
しっかりできてから、

ようやく、

過去の傷に、
ゆっくりと、
触れていく。

安心🟢は、

回復の「ゴール」ではありません。

すべての回復が、そこから始まる、

「スタートライン」

なのです。

ですから、どうか安心してください。

私たちは、

あなたの準備ができていないのに、
無理やり過去を掘り返すようなことは、

しません。

まずは、
今この瞬間に、
ホッとできる感覚を取り戻すこと。

すべては、
そこから、
始まります。

「話すだけ」では届かない場所へ

思考ではなく、身体から緩めていくアプローチ

あなたはこれまで、人一倍、頭を使って、
必死に考えて、生きてこられたと思います。

だからこそ、

「頭では分かっているのに、
 変えられない」

という苦しさが、
誰よりも強いかもしれません。

その感覚は、
正しいと私は思っています。

なぜなら、今のあなたの神経は
「緊急モード(反射)」で動いているため、

思考によるコントロールが効かない状態

だからです。

だからこそ、当ルームでは、
「言葉」や「考え方」だけで解決しようとはしません。

  • ポリヴェーガル理論 (自律神経の仕組み)
  • ソマティック・アプローチ (身体感覚への働きかけ)
  • パーツ心理学 (心の中にいる『さまざまな自分』との対話)

といった手法を使い、
言葉になる前の「こわばった身体」や
「張り詰めた神経」に直接アプローチすることで、

「頭で考えなくても、自然と身体が緩んでいる」

そんな、身体にやさしい変化を目指しています。

よくあるご質問

A. はい、回復は十分に可能です。感情のフラッシュバックは固定された性格ではなく、神経が学習した防衛反応だからです。新しい安心の体験を身体に重ねていくことで、過去に反応して鳴る「警報」は少しずつ静まっていきます。ただし回復には順番があり、焦らず土台から進めることが大切です。

A. いいえ、準備ができていないのに無理に過去を掘り返すことはしません。安心の土台ができる前にトラウマに触れると、かえってフラッシュバックを強めてしまうからです。まず身体に「今は安全だ」という感覚(🟢)を育て、その土台ができてから、ゆっくりと過去に触れていきます。

A. 不眠や強い抑うつなど、フラッシュバックで日常生活がつらい場合は、まず医療機関での診察・服薬を検討してください。当ルームのカウンセリングは、薬では届きにくいフラッシュバックの根っこ(神経の防衛パターンやトラウマ)をケアする役割で、医療と並行して受けていただけます。

A. はい、アプローチが異なります。当ルームでは思考を変えること(CBT)を中心には据えず、ポリヴェーガル理論・ソマティックアプローチ・パーツ心理学を用いて、言葉になる前の身体感覚や神経の状態に働きかけます。「頭では分かっているのに変えられない」という方に向いた方法です。

A. すべてZoomによるオンラインで実施しています。継続セッションは1回60分・22,000円(税込)です。お一人おひとりとの対話を大切にするため、ご新規の受付は公式メルマガ内で不定期にご案内しています。まずは無料の小冊子と動画で「心の仕組み」を知るところから始められます。

一人で抱え込まず、まずは
「心の仕組み」を知ることから

感情のフラッシュバックは、
根が深く、
回復には時間がかかることもあります。

回復の途中では、
行ったり来たりすることも
あるでしょう。

だからこそ、
まずは焦らず、

ご自身の身体の中で起きている
「防衛反応の仕組み(地図)」を
知ることから始めてみませんか?

「私は、感情のコントロールもできない、ダメな人間だ」
から、
「あれは、神経が過去を再生していた”感情のフラッシュバック”だったんだ」
へ。

「子どもに当たってしまう、最低な母親だ」
から、
「私は、世代を超えて続いてきた痛みの只中にいるんだ。
でも、ここで止めることもできるんだ」

へ。
仕組みがわかるだけでも、
「自分はおかしくなったわけでは
なかった」
「性格のせいじゃなかった」
「身体が必死に守ってくれていたのか…」

と、少しだけ呼吸が深くなるかも
しれません。

無料の小冊子と動画で「仕組み」を知る

※登録は無料です。いつでも解除できます。

椎名優介

椎名 優介心理カウンセラー/カウンセリングルーム メンタルアップ主宰

かつて私自身も、「期待に応えなければ」と自分を追い込み、10年間に3度の休職をくり返しました。頭で考えてコントロールしようとするほど、心も身体も動かなくなっていきました。

回復のきっかけは、考え方を変えることではなく、張りつめた神経をゆるめ、「感じること」を取り戻していくことでした。

今は同じように過剰適応や職場の人間関係で苦しむ方へ、ポリヴェーガル理論にもとづく神経系の視点から、思考ではなく身体・感情にやさしく寄り添うカウンセリングを行っています。

筑波大学卒(心理学)/産業カウンセラー/米国NLP協会トレーナーアソシエート/トラウマセラピートレーニング修了